5年間で1兆円を投じる「リスキリング」って言葉をご存知ですか

=  Dr.ウエノの保険コラム =

臨時国会の所信表明演説の中で岸田文雄首相は、個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じると表明したことが報じられましたが、リスキリングって言葉を皆さん、ご存知でしょうか。

リスキリングとは、簡単に言うと大人の「学びなおし」だそうです。今持っている能力を高める「スキルアップ」とは違い、全く別のスキルを新たに身につけることだそうです。そして、このリスキリングが必要な理由は、「成長産業への労働移動を促すため」としています。つまり、これから衰退していく業界の会社は社員をリスキリングし、成長する業界へと転職(兼業、起業含む)しやすいようにしてくださいということだそうです。ということは、リスキリング対象はベテラン人材ということでしょうが、そうは言っても、何をリスキリングしたらいいのか?世の中の40代、50代の会社員は戸惑いますよね。

では、ここで改めてリスキリングについて検索してみて少し整理してみましょう。

リスキリング(学び直し)すべきは何かとなると、コミュニケーション力、企画力、提案力、プレゼンテーション力、マネジメント力、マーケティング力、戦略立案力、仮説思考力、論理思考力、クリティカルシンキング……等といった基礎的なビジネススキルを指すそうですが、そもそも「成長分野への労働移動」が目的なので、今目の前の仕事で役立つ実務スキルをリスキリングしても意味がないことになります。とはいえ将来どんな仕事をするか予測が立ちませんから何をやってよいか雲をつかむような感じですね。プログラミングとかデータサイエンティスト的な具体的な技能を身につけても本当に役立つかどうかわかりませんし、若い人たちに混じってトレーニングを受けるのも簡単ではないと思います。

また、「基礎的なビジネススキル」と聞くと、「私はすでにコミュニケーション力がある」、「もう10年近くマネジメントに関わっているのでリスキリングは不要」と言う人が出てくると思います。しかし本当にそうなのでしょうか。「本当に今現在のスキルで、他の業界にいって活躍できるのだろうか?」、「どのぐらいのレベルにまでリスキリングすべきなのか」等も、しっかりと理解しておく必要があると思われます。

保険代理店の方も皆さんも年齢が高い方が圧倒的で、しかも「私はできる」と思っている方が多い業界なので、リスキリングはどう刺さるのでしょうか。ただ、保険マーケットの縮小は見えているので、転職まではいかなくても保険以外の何かをしないと生き残ることはできないことも明白。つぶしが効きそうな保険営業職ですが、転職して他業種・他業態で活躍されている方をあまり存じませんので、今の保険業界にいながら保険以外のことをやるのが良いかと思います。

そこで、活かせるのが、保険代理店の無形資産である「個人情報」だと思います。このお宝を活かしてやれることを考えれば、保険に付随しつつも成長するモノやサービスの販売ができるかもしれません。

最近は顧客の個人情報を有する企業が保険を活用することで次に成長する業界とは何かを模索しようと動いています。保険を考える際にありとあらゆる話をお客様と募集人がしますので、センシティブ情報を含め、お宝情報を沢山入手できます。企業が持つお宝の個人情報に更にお宝情報をオンさせて良ければ、まさに超お宝情報となります。この情報を活かして次の成長事業を発見し、取り組むことで自然と業態を変えることができると思います。

そのフックに保険は最適だと多くの企業は考えているように思います。

衰退していく業界の会社の皆様、皆さんのマーケットに保険というフックをかけに動いてみては如何ですか。こうした企業と組めれば保険代理店も転職することなく、まだ頑張れると思いますので、保険代理店はこうした企業を探すことに専念してみて下さい。