モスバーガー、ローソンの新事業参入ニュースご覧になりましたか
= Dr.ウエノの保険コラム =
モスバーガーは、新業態の「キッチンカー」事業に参入することが報じられました。
「キッチンカー MOS50」では、モスの定番商品をグレードアップした専用商品を提供。
「モスバーガー」のソースに赤ワインとバターをプラスしパティにアメリカ産アンガス牛を使用した「50th MOS(フィフティース モス)」(680円)、「テリヤキバーガー」のソースにトマトペーストを加えた「50th TERIYAKI(フィフティース テリヤキ)」(680円)を販売するそうです。 同社ではテークアウト需要の高まりを受け、2020年、2021年にテークアウト専門店をオープンしていましたが、今回のキッチンカーは、イベント会場での活用なども検討しているそうです。今回駐車場を提供している「洋服の青山」は、キッチンカー・スタッフが着用するユニフォームのデザインも担当したとのことです。面白い提携と戦略ですね。
また、ローソンは宅配向けの調理事業に参入することが報じられました。
ウーバーイーツなど宅配代行サービス経由で注文を受け付け、コンビニ内の厨房で調理して配送するブランドを2025年度に1000店舗に拡大するそうです。出来たての料理を提供できる強みを生かし、急成長している料理宅配市場を開拓することになります。
新型コロナウイルス禍で在宅が定着したことを受け、料理宅配市場は21年に約7975億円とコロナ前の19年の2倍近くに急拡大したことで、飲食店によるサービス提供が広がったほか、宅配サービス専門の調理事業者の参入も増えていますが、ここにコンビニの参入となる訳です。コンビニで販売する弁当より単価を高くし、店頭では販売しないとしています。立地や客層に合わせて1店舗あたり3~5ブランドを展開する方針で、1店舗あたり1日3万~5万円の売り上げを見込むとしています。
料理宅配市場の拡大を背景に調理専門事業者は個人経営を中心に増えていますが、小売り大手が1000店舗規模で参入するのは珍しく、出来たての料理を提供できることを売り物にするほか、近場の店舗から届けるため利用者の負担する配送料を抑えられるとしています。
コンビニは出店余地が限られ、ドラッグストアなどとの競争も激化している他、加盟店オーナーの長時間労働などが社会問題となり新たな成長戦略が求められていましたが、ローソンは自宅の需要を取り込むことで収益拡大を目指すことになります。
モスバーガーの「洋服の青山」店舗敷地へのキッチンカー出店、ローソンの宅配向け調理事業参入と本来の強みを活かした攻めの新展開、大変興味深いと思います。これも本業を軸に周辺事業に拡大していく「PIVOT」戦略の一つかと考えています。「PIVOT」とは本来「回転軸」を意味する英語で、転じて近年は企業経営における「方向転換」や「路線変更」を表す用語としてもよく使われます。戦略やアイデアと市場のニーズとの“擦り合わせ”のプロセスでもあるので色々とトライすることが大切かと考えています。
保険代理店もいつまでも「保険専業」ではなく、保険周りの色々なことをビジネスにしていかなければ生き残ってはいけないと思います。保険代理店のPIVOT戦略に一番長けているのは一般社団法人結心会かと思います。2月8日~9日に開催される第53回定例会でも保険代理店のPIVOT戦略のアイデアを幾つか紹介しますので、是非参加下さい。リアル、オンライン両方で参加可能ですので、結心会ホームページのセミナー欄をご確認いただき申込下さい。