常識を覆す

= Dr.ウエノの保険コラム =

「常識を覆す」と言ってもなかなかできるものではありませんが、コロナ禍の中、企業は大きく舵を切っています。

例えば「スーツ」。コロナ禍で「在宅勤務」が広がり、知り合いの中にはこの1年間で会社に行ったのは3回だけという方もいます。これでは「スーツ不要」ですよね。

そうした中、常識を覆す「カジュアルスーツ」が注目されています。それが工事現場の作業服で有名な「ワークマン」のスーツで、撥水性と通気性の高さが特徴で、フード付きで雨もしのげるなどワークマンならではのノウハウが生かされていて発売からわずか2ヶ月で15万着を販売したそうです。コロナ禍でも多忙で毎日出勤している作業現場の皆さんがお客様等とお会いする際に作業服でなくスーツっぽい感じの方が失礼ないとして好評のようです。これまでスーツが作業服だったサラリーマンに変わって、作業服をスーツにするという逆転の発想かと考えます。

一方、大手紳士服チェーンの「AOKI」が2月からネット限定で販売したスーツは常識を覆す価格帯「5000円~6000円のスーツ」でポリエステルなどの割合を増やして伸縮性を高め普段着のような着心地を狙い、更にパジャマのようにも使える「パジャマスーツ」を販売するとのことで、これをメイン商品にカジュアルウエアの売上を5年以内に100億円規模に拡大する考えを示しています。自宅でテレワークしていても、ちょっとソファーに横になろうかという際にパジャマスーツだとそのまま寝てもしわになりにくいので便利ですよね。

働き方と共に「スーツの概念も変わり」、ビジネスとカジュアルの境目が薄れたところに新しいニーズが生まれているのです。

同様に苦境に立つ旅行業大手の日本旅行の戦略は「脱旅行業」で、これまで取引のあった企業や自治体、学校が抱えている「課題」を調査し、その解決策を提案するビジネスをスタートさせています。

調査の結果、多くの企業で「福利厚生の見直し」が課題となっていることがわかり、「社員旅行が中止になった分を福利厚生に充てたい」という意向を汲んで「地域の飲食店を社員食堂のように利用できるサービスとして企業が飲食店で使える電子チケットを配布する」といった福利厚生を提供しています。こうしたサービスを新規で企業に売り込むことでコロナ明けでの社員旅行につなげようともしています。

JR西日本では、新幹線で鹿児島のカンパチを大阪に当日届けるということをスタートさせるそうです。新幹線で荷物をというのはわかりますが、朝出荷した鮮魚が当日の夜には料理店で出されるというのはお客様を呼びますよね。

保険業界でも常識を覆す「オンライン保険相談からオンラインで保険契約まで出来る」ことが完全に定着しお客様の利便性が大きく向上しました。「顧客対応」を考えればオンライン保険相談は「全ての代理店が対応できるようにしなといけません」。できないサービスがあれば顧客本位の業務運営が出来ていないことになります。「規模が小さいから」、「顧客が高齢者ばかりでオンラインは必要ない」では通用しません。「ペーパーレス化」も扱っている保険会社に制度がある以上は代理店としてペーパーレス推進を態勢整備の一環として取り組まないといけません。

こうしたことをコツコツと実践していく過程で常識を覆すヒントが見えてくると思います。

ヒントが見つからない方は、結心会までご一報下さい。諸々お手伝いさせていただきますので。