非対面募集

=  Dr.ウエノの保険コラム =

大手生命保険が顧客と直接対面しない営業に踏み切ることが報じられました。

「明治安田生命保険」はまず「既存の契約者や家族を対象」に、「医療保険の加入」や「契約変更の手続き」が「郵送」や「電話」で済むようにするそうです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛により、生保レディーと呼ばれる営業職員が直接会うことが難しいためで、業界で23万人に達する営業職員が対面で関係を築く販売スタイルが見直しを迫られたものです。

ネットや電話で完結する非対面の販売は新興のネット専業生保などが手掛ける一方、既存の大手や中堅は控えてきました。このため、生保業界ではネットなど非対面の加入の割合は数パーセントにとどまります。

明治安田生命はまず新型コロナの感染拡大を受けた特例として、5月7日から対面せずに保険商品を申し込めるようにするとのこと。特例を認める期間は感染拡大の状況や顧客の反応を踏まえて決め、丁寧な説明が必要な投資性の強い外貨建て保険などの商品は対象から除くそうです。

日本生命保険や第一生命保険など他の大手も近く、非対面の契約を認める方向で検討しているとも報じられました。

政府の緊急事態宣言を受けて保険各社は営業活動を原則止めてきましたが、顧客には新たな契約や保障内容の見直しといったニーズがあるため、対面しない形での契約が必要と判断したものです。銀行や証券でネット経由のサービス提供が存在感を増すなかで、生保業界は伝統的な対面販売を重視する姿勢が目立っていましたが、ここに来て一挙に古い体質から脱皮しようとしています。

オンライン保険相談も保険会社によって対応が異なりますが、保険代理店は一挙にオンライン保険相談をスタートさせました。新型コロナウイルス感染リスクもあり、今、保険ニーズは高まっており、多くの保険ショップや保険代理店には相談希望が急増しています。ただ、この時期に人と会うことのリスクは避けたいので、非対面による保険相談は各保険会社容認すべきだと思いますが、今回の日本社による「申込までOK」はなかなか画期的な判断だと思います。

新型コロナウイルスは1年以上持続的対策が必要で、「生活様式」を変えるよう国も要請しています。

全く想定外の新型コロナウイルス拡大で、古い体質の保険業界も変化の時を迎えています。

何度もで恐縮ですが、保険募集のポートフォリオの入れ替えを早急にしなければなりませんね。