損保会社がAIを活用し進化すればするほど代理店は要らない
= Dr.ウエノの保険コラム =
東京海上社は、ドライブレコーダーで取得した映像データと人工知能(AI)を活用し、「自動車事故の責任割合を自動算出する新機能」を開発したことが報じられ、3月17日から事故対応現場に実装されました。
ドラレコには衝撃を感知して作動する自動発報機能があり事故の映像がオペレーターに自動的に届くようになります。そして、新機能「事故状況再現システム」をもとに「事故発生に至った当事者間の走行軌跡や過去の判例に基づく責任割合の候補を5分程度で提示する」という優れモノです。
夜間や悪天候でも信号の色などを認識して使え、個人・法人を問わずドラレコ特約の契約者30万人以上に同システムを使った事故対応が可能になるそうです。
これまでは示談交渉に向けて、オペレーターが交通事故の場所や発生状況を聞き取り情報整理していましたが、最短でも15分程度の時間がかかっていましたが、自動再現によって顧客の説明負担の軽減も見込め、事故の初期対応や示談交渉を円滑にして迅速な保険金支払いにつなげるとしています。
東京海上社は昨年1月から自動車保険の更改申込書にQRコードを付けてお客様が直接保険内容の確認、変更等が出来るシステムを導入しましたが、事故の過失割合もドラレコを通じて自動算出することで、申込から保険金支払いまで、保険代理店が介在する必要をなくしてしまいました。
これでは損保の代理店は、保険会社サイドから見て、少なくても「扱い保険料で10億円」程度はないと「存続させる必要性がない」と言われてしまいますよね。
損保の手数料率も益々下がることは間違いないところですから、損保代理店は如何にて生き残るのでしょうか。答えとしては「保険以外を扱う」でしょうか。来年には銀行・証券・保険すべてのサービスが一つの登録でできる「金融サービス仲介業」という新しい業態が登場します。供託金が必要ですし、当然資格取得等も大変でしょうが、参入が可能であれば、保険だけでなく金融全てを取り扱う代理店へ変態することが生き残りの一つの方法かと考えています。
そのために、今から金融全体を学んでいきましょう。結心会では「結心会フィナンシャル」というサイトの開設を検討しています。保険募集人を対象にこの程度の金融知識は持っておこうという内容を幅広く動画を使って説明するというサイトです。併せて、結心会の会員にIFAをされている方も増えてきましたので、結心会金融部会なる部会の立ち上げも検討しています。数年前から保険ショップをフィナンシャルショップに変態させようとトライアルもしてきましたが、いよいよ時代が追いついてきたと思います。
お客様のフィナンシャル全般についての「何でも相談プラットフォーム」になるための半歩を踏み出したいとお思いの皆様、一般社団法人保険健全化推進機構結心会に集合下さい。